奴壊夢編隊(ドエムヘンタイ) ナニが悪いんジャー

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さて、黒タイツの男の一人は、そんな会話の間にレッドに近づき、頬をおもいっきり殴った。 地面に倒れるレッド。 少女は息をのむ。 しかしレッドは立ち上がる。 「足らねぇな!!」 「なめてんじゃねーぇ!!」 もう一発。 再び地面に背を付けたレッドを今度は数人で囲み、蹴り、踏み、殴る。 ――もしかしてこの人たち、ものすごく弱い……!? 少女は絶望する。 しかし、そこはヒーロー。 真の絶望はここからだ。 「あふっ……ヤバい……あふん……そう、その辺……あうっ!」 男数人がかりでボコられているのに、なぜか笑顔。 その上、危険なうめき声を漏らしている。 「この野郎!」 「おうっ! ……そ、それは目覚めちゃう! 俺のフレイムバズーカが放たれちゃう!!!」 「おいっ……こいつなんか……ヤバくね?」 蹴り足を止める男たち。 しかし、レッドはその足をつかむ。 「なんで止めるの? もっとほちぃんだけど!」 「うわあぁぁぁぁ!!!」 男の一人がその足を無理矢理振りほどくが、なぜか彼は喜んでいる。 「はいっ」 ブラックが火のついたろうそくを男の一人に渡す。 「この『ろう』、あいつに効くから」 「……ま、マジか……!?」 不審に思いつつも、ろうを撒き散らしてレッドに振りかける。 「あ、それは……!」 熱いろうが、レッドのタイツに点々と後を残す。 「効くうぅぅぅぅ!!!」 「ハハハ、てめぇのお仲間がくれたん……」 そこで彼の言葉が止まる。 なぜなら、レッドが浮かべたのは、恍惚の表情だったから。 「あぁ……もう……ミサイル発射のカウントダウンが……!」 「クソッ!! こいつマジやべぇ!! 標的を変えるんだ!!」
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