2人が本棚に入れています
本棚に追加
「早く何とか言えよ!」
彼女の余裕に腹が立つ。何故そこまで落ち着いていられるんだ?
「うーん……」
みはるは首を少し傾(かし)げて、ゆっくりと唇を開いた。その動きに一瞬、苛立ちと同時に艶(なま)めかしさを感じてしまう。
「このあいだ聞いたでしょ?どうしたら私の事嫌いになってくれる?って。これが私なりの答えなの」
こちらが苛立つ事がわかった上で、意図が掴みづらい答えを返してきた美晴。
こういう答え方をするのは、出会った当初からの美晴の癖だった。
「嫌いになる?ますます意味がわからねぇ!別れたいなら、別れよって最初から言えよ!その後にこうやって誰とでも寝ればいいじゃねえか!」
よりによってなんでこんな状況に……。
「そうだね……。傷付いた?」
「当たり前だ!」
最初のコメントを投稿しよう!