2人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ……私と別れたい?」
翔は一瞬言葉につまった。
こんなに展開が早いのか。
急に突きつけられた現実。
言いたい事は山ほどある。それに俺は美晴が好きだ。でも、俺は今どうすべきなのか全くわからない。
「みはるは別れたいのか?」
「私はこうしてる今も翔が好きだよ」
また的を得ていない答え。
「だから俺の質問に答えろよ!」
「でも、言ってる事は伝わってるでしょ?」
「もういい!とりあえずこんな所から出るぞ!」
翔は美晴に歩み寄り、彼女の腕を力任せに引っ張った。
今、彼女を責めたい気持ちでいっぱいなのに、彼女のペースで話が進むのは気にくわない。何より、こんな汚らしい場所から早く出たいという気持ちが強かった。
「いや!離して!」
今まで冷静だった美晴から感情的な声が発せられ、翔の手を振りほどこうとする。
「は?なんでだ!」
「この人が戻ってくるの!もういいでしょ!」
ジャケットを指差し暴れる美晴。
最初のコメントを投稿しよう!