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わたしが死んでしまう。そのことがなによりも怖くてまた涙を流す。
この命が尽きてしまったら、この星は本当の意味で死の星になってしまう。なにもかもが死に絶えたこの世界。あとに残るのは赤い空と砂漠だけではあまりにも悲しすぎる。
シャリ、シャリ、シャリ、シャリ……。
ふとわたしの耳は誰かの足音を捉えた。
誰かがいる。わたしが最後の一人じゃなかったんだ!
そのことが嬉しくて、嬉しくてわたしは何度目かの涙を流す。けれどもその涙のせいで瞳が曇って目の前の光景を上手く映してはくれない。
そこで最後の力を使って手を動かし涙を拭い、わたしに近づいてくる誰かに向って精一杯の笑顔を浮かべる。
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