Prologue

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◇ 「携帯電話なんてなくなればいい」  それが彼が16年間生きて来た人生で導き出された結論。これからどれほど技術が進歩し携帯電話が進化しようと、アプリがいくら面白いと言われようと、彼の結論は変わらないだろう。  なぜなら彼は携帯電話が嫌いだからだ。  いや、違う。彼は機械的なものが大っ嫌いだからだ。   携帯電話が無くなれば、大半の人類が絶望するであろうこの世の中に彼はただひたすらにある事を願っていた。  旧石器時代にも生まれれば良かったと。そうすればあの忌々しい携帯電話、その他諸々の機械機器ともおさらば出来るのにと。  なぜ彼がそんなにも機械が嫌いなのか、それは..  彼が天性の機械音痴であったからである。  彼は今日も教室で携帯電話の画面に酷く悪態つく。この携帯電話への苦戦が本当の機械機器との戦争になるとはつゆ知らず。  もうすぐ彼の元にメールが届く。
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