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10分後ー、
「ダァーッ、クソっ!!」
「あはははは、兄ちゃん弱すぎ~
あんだけ叩いといて3回って(笑)」
機械音痴の斗真は当然の如く、完敗していた。
「まだ負けてねぇ!もう一回勝負だ!!」
負けず嫌いな斗真はまだ負けていないと再戦を架奈に申し込んだ。
「兄ちゃん、そのセリフ10回目だよ。
0勝9敗でよく言えるね、感心しちゃうわ....」
「う、うるせー、俺が負けたと思うまで負けにはならん!!」
最初は機械音痴の斗真をからかう為に始めたゲームだったが、負けず嫌いをこうも発揮されては流石に架奈も飽きていた。
「んじゃあ、私の負けでいいからもうやめようよ....」
「マジっ!?やったー勝ったー!!」
斗真の執念勝ち。妹の情けとも言えるその勝利に斗真は勝ちは勝ちと手放しで喜んだ。
「私の兄ちゃん、これで大丈夫かな....」
妹の心配を余所に斗真は意気揚々と自室に向かった。
斗真は自分の部屋に入るなりにカバンを適当に放りベッドに突っ伏した。
「あ~、眠てぇ~....」
しばらくベッドに寝転びながら古い天井をぼうっと眺めていると斗真はいつの間にか眠りについていた。
この時の斗真はこのあと届くメールが自分の運命を大きく変えるとは思ってもいなかった。
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