強者

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*??? 暗い空間の中心、一つの曇りない綺麗な正方形の水晶が浮かぶ空間。水晶の周囲は漆黒、右も左もすべてが黒。 音もなく辺りは静寂に包まれていた。 そんな空間に一筋の光が指し徐々に光が強くなる。そして光が収まる頃1人の鎧を纏った男性が立っていた。 男は漆黒の空間にただ浮いている水晶に近づき手を当てた。 「やっぱりフェイ君が人柱だったよ。……そうだね。彼には色々世話になってるからね。……それは無理かなぁ。彼に手を出すのは危険だからね。それに彼がもしキレたりなんかしたら、この国何か地図から消えちゃうからね。」 男は静寂に包まれている空間で水晶に喋りかけていた。 男の声しか聞こえない空間で喋っている男をみると、奇妙な光景だった。 「そうだね。彼は生きてることに後悔してるからねぇ。今日会ったんだけどやっぱり昔と変わらずあの瞳をしていたよ。……私もあの目を見るといまだに彼に恐怖してしまうよ。……ハハハ。ミイナは相変わらず彼に好意を持っているのかい?……大変だと思うけど頑張りなよ。私はそろそろ戻らないとテュラ君が五月蝿いからね。」 男はそう言うと水晶から手を離し踵を返した。そして先程と同じように光が空間を照らし光が収まる頃には男の姿はなかった。 強者~end~
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