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「えっと、ごめん。痛かった?」
あちゃあ~。やりすぎたかなー。あわてて身を起こし、モカがカカオに近寄った。そのとき、
「ペッタンコ」
カカオの手のひらが、モカの胸をつるりとすべり落ちていった。
「むっー。これは成長途中なんだから」
モカがほっぺを膨らませ、カカオに冗談っぽく迫った。が、勢いをつけすぎたせいで、二人の武器が交差。シャンッ! すさまじい金属音が静寂を打ち壊す。
「きゃっ」
「わっ」
野鳥たちが騒ぐ。モカとカカオはくずおれ、びくりと身をすくませた。武器を持つ手に思わず力が入る。黒い集団が長い列を作り、二人の頭上を通りすぎてゆく。ぽかんと小さな口を開け、しばしのあいだ、二人は目を白黒させて眺めていた。
森に再びしじまが訪れる。
「だいじょうぶ? モカ」
先に声をだしたのは、カカオだった。心配そうにモカの顔を覗きこむ。
「平気だよ。カカオは?」
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