二人の守護者と扉の向こう

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 モカが扉に手を伸ばし、カカオを促す。カカオはたじたじとなりながら手を伸ばし、そっと扉にふれる。木の温もりに安心感を覚えた。少なくとも異質な物体ではなさそう。  二人は互いにうなずきあい、ゆっくり扉を押した。いとも簡単になんの抵抗もなく開く。鍵はかかっていなかった。 「あっけないね」 「そうね」  おそるおそる中に足を踏み入れる。広間があった。二人で暮らすのにちょうどいい広さ。テーブル、ベッド、かまどなど生活に必要なものは揃っていた。食器や鍋も置いてある。けれども生活感はまるでなく、ほこりがあちこちに積もっていた。 「えほっ、あのー、だれかいませんか?」 「だれかいるー? げほっ」  ほこりが舞う中、二人は住人の姿を探したものの、どこにも見当たらなかった。 「うーん、カカオ、これってどういうこと?」  あたりを散策しながら、モカが首を傾げた。 「どういうこともなにも、きっとここはマスターの家よ。わたしたちは留守を守るため、マスターに生みだされたんだわ」 「あー、いや、ちょっと違うみたい」
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