0章 紅魔館(OP)

2/6

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「駄目よ、絶対に」 私を睨み、声を尖らせた。 「…なんで」 「………」 「どうして外に出る事を許してくれないの!?」 「…フラン、あなたは自分の力を理解しておくべきよ」 「昔の私と一緒にしないで!無闇にこの力使ったりしないもん!!」 私は必死だった。外に出ることを認めて欲しかったから。 「…無理よ」 「えっ…?」 「そんな事、出来る訳がない」 …信じてもらえなかった。そう思うと悲しみや怒りが一気に込み上げてきた。 「…そうなんだ……お姉様は私の事嫌いなんだね」 「………」 「…私が嫌いだから!私がしたい事をなにも許してくれない!」 ――何を言っても返答はなかった。 「…もういい…お姉様なんか、大ッ嫌い!!」 私はその場から走り去った。 「……咲夜?いるんでしょ?」 「…失礼します」 「まったく…聞き耳なんて感心しないわね」 「申し訳ございません…」 「…まぁ、あの状況じゃ入るにも入れないか」 「…………紅茶をお持ちしましたよ」 「ん、ありがとう咲夜。…本当はこんな話がない時に飲めれば最高だったんだけどね」 「…私はどうしたら良かったのかしらね」 「え…?」 「いや、何でもないわ。…気にしないで」 「………」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加