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「駄目よ、絶対に」
私を睨み、声を尖らせた。
「…なんで」
「………」
「どうして外に出る事を許してくれないの!?」
「…フラン、あなたは自分の力を理解しておくべきよ」
「昔の私と一緒にしないで!無闇にこの力使ったりしないもん!!」
私は必死だった。外に出ることを認めて欲しかったから。
「…無理よ」
「えっ…?」
「そんな事、出来る訳がない」
…信じてもらえなかった。そう思うと悲しみや怒りが一気に込み上げてきた。
「…そうなんだ……お姉様は私の事嫌いなんだね」
「………」
「…私が嫌いだから!私がしたい事をなにも許してくれない!」
――何を言っても返答はなかった。
「…もういい…お姉様なんか、大ッ嫌い!!」
私はその場から走り去った。
「……咲夜?いるんでしょ?」
「…失礼します」
「まったく…聞き耳なんて感心しないわね」
「申し訳ございません…」
「…まぁ、あの状況じゃ入るにも入れないか」
「…………紅茶をお持ちしましたよ」
「ん、ありがとう咲夜。…本当はこんな話がない時に飲めれば最高だったんだけどね」
「…私はどうしたら良かったのかしらね」
「え…?」
「いや、何でもないわ。…気にしないで」
「………」
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