0章 紅魔館(OP)

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―――私は廊下の壁に寄りかかり、紅魔館には数少ない窓の方を見た。 窓からは太陽の光が差し込んでいて、眩しく輝いている。 「…外に…行きたい……」 私は太陽光が直接当たらないように窓を覗き込んだ。 視界に映ったのは、晴れ渡った空、その中で眩しく自己主張する太陽。 そして下に目を向けると沢山の花々が咲き乱れる花畑があった。 「…綺麗」 私は沢山の花々に見惚れ、また外の開放感を感じられた。 紅魔館とは180°違った世界が外にはあった。 ――尚更外に行くことが諦められなくなった。 「……」 ――外に出ることを許してくれないお姉様。   だったらもう勝手に抜け出しちゃえばいい。 自分の中の何かがそう囁いているような気がする。 ――勝手に抜け出しても咲夜にすぐ捕まっちゃう。   許してもらえればいつだって外に出られるよ。 別の何かがそうやって私を止めようとする。 私はどうするか定まらないまま、もう一度お姉様の部屋に向かった。
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