1章 初めて。(仮)

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―――紅魔館の門を潜り、私は初めて紅魔館から出た。 「…!」 そこには門番である美鈴が壁に寄りかかり寝ているように見える。 「…咲夜の言ってた通りだ…ふふ」 美鈴は紅魔館内ではあったが、よく私と遊んでくれた。 「……今までありがとう。美鈴」 今後美鈴に会えないと思うと苦しくなった。 でも、もうここには居たくないんだと心の中で囁き、会えないと悲しむ感情を押し殺して歩き始めた。 「……いって…らっしゃいませ…」 「!!」 「………」 起こしてしまったかと思ったがすぐに寝息が聞こえる。 …寝言のようだ。 「……ふふふ」 私は美鈴を起こしてしまわないようできるだけ小さく笑った。 「…ありがとう。行ってくるよ」 私は美鈴の寝顔を最後に、紅魔館から消えていった。
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