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―――紅魔館の門を潜り、私は初めて紅魔館から出た。
「…!」
そこには門番である美鈴が壁に寄りかかり寝ているように見える。
「…咲夜の言ってた通りだ…ふふ」
美鈴は紅魔館内ではあったが、よく私と遊んでくれた。
「……今までありがとう。美鈴」
今後美鈴に会えないと思うと苦しくなった。
でも、もうここには居たくないんだと心の中で囁き、会えないと悲しむ感情を押し殺して歩き始めた。
「……いって…らっしゃいませ…」
「!!」
「………」
起こしてしまったかと思ったがすぐに寝息が聞こえる。
…寝言のようだ。
「……ふふふ」
私は美鈴を起こしてしまわないようできるだけ小さく笑った。
「…ありがとう。行ってくるよ」
私は美鈴の寝顔を最後に、紅魔館から消えていった。
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