少女「あなた誰?」 宇宙人「えっ宇宙人ですけど」

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宇宙人「今となっては『責任』も『原因』も我々の頻用語彙ではないので、私には説明が難しいのですが……」 宇宙人「いじめの原因は、確かにあなた自身にもあるのでしょう」 宇宙人「もらわれっ子であるという事実や清潔感がないという印象はあなた自身に付与される属性であって、確かにこれらはいじめの一因となっていると推察されます」 少女「……」 宇宙人「しかし、そういった事実や印象によって、あなたのお父様やお母様に対して、またあなたの学校の級友に対して、あなたをいじめることの免罪符が与えられるわけではありません」 宇宙人「他方でまた、彼ら彼女らのいじめという行為の『責任』は、本来的にその行為遂行者である彼ら彼女ら自身が引き受けるものでしょう」 宇宙人「にもかかわらず、そのいじめという行為の責任があなたにまで分与されると考えてしまうのは、あなたが『原因』の帰属先と『責任』の帰属先とを混同しているからです」 少女「……」 少女「……ごめんなさい。難しくてよく分からないわ」 宇宙人「……つまり簡単に言うとですね、仮にいじめの原因があなたにあったとしても、いじめの責任はあなたにはないということです」 宇宙人「あなたは、悪くないのですよ」 少女「……」 宇宙人「あなたにも色々な事情があって、それ故にいじめられているのでしょう」 宇宙人「しかしだからといって、それは『あなたが悪い』わけではないですし、まして『仕方のない』ことでもありません」 宇宙人「あなたが望むならば、あなたをいじめる存在を皆殺しにしてみせましょう。それで問題解決です」 少女「……」 少女「ありがとう。少し驚いたけど……あなた、慰めてくれてたのね」 宇宙人「いえ、というよりも『いじめっ子排除プラン』の採用を説得していたつもりだったのですが……」 少女「でも、ダメよやっぱり」 少女「学校のみんなが死んだら、その子たちのパパやママはとても悲しいだろうし」 少女「今のパパやママを死なせちゃったら、天国にいる本当のパパとママはきっとわたしを叱るもの……」 宇宙人「……」 少女「でもありがとね。何だか少しスッキリしちゃった」
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