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少女「……」
少女「……ただいま」
宇宙人「ここ最近、学校では穏やかな感情の色と形が続いていましたが、今日はどうされたんですか」
少女「……」
宇宙人「また以前のような『恐怖』や『悲しみ』の色と形で揺れていました」
少女「……」
少女「友達がね、私のこと……裏切り者だって」
宇宙人「……どういうことですか?」
少女「この前言ってた、私に告白してきた男の子のことで……」
宇宙人「確かお付き合いを断ったのですよね」
少女「……うん」
少女「私の友達がね、その男の子のことが好きだったんだって」
宇宙人「ふむ」
少女「それで、私がその男の子に告白されたことが、友達にばれちゃって」
少女「『裏切り者だ』って」
宇宙人「?? よく分かりませんね」
宇宙人「あなたがその友達の好きな男の子が誰かを知っていて、その上で、友達に断りなく男の子とお付き合いをしたならば、裏切り者となじられるのも無理はないと思いますが」
少女「……」
少女「……『可哀想だからお友達になってあげたのに、私の好きな男の子に告白されるなんて最低』って言われたわ」
宇宙人「……なるほど。なるほど」
少女「わたし……裏切り者なのかな」
宇宙人「……」
宇宙人「……あなたは彼女に対して、その男の子のことで偽りを働いたわけではありません」
宇宙人「しかし、彼女はあなたに期待を裏切られたと感じたのでしょう」
少女「期待、を?」
宇宙人「ええ。僅かな情報からの推測ですが、彼女はあなたを見下していたのです」
少女「……」
宇宙人「彼女はあなたに、『自分よりも可哀想な子』『自分よりも不幸な子』であることを望み、期待していたのです」
宇宙人「しかし、彼女が好意を向ける男の子は、自分にではなく、よりにもよって『自分よりも可哀想な子』であるはずのあなたを選んだ」
宇宙人「そのとき、彼女にとってあなたは『自分よりも可哀想な子』ではなくなってしまった。彼女の期待が裏切られてしまったのです」
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