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少女「……そう」
宇宙人「そのような期待を抱いていた彼女があなたのことを裏切り者だと感じてしまうのは仕方のないことかもしれません」
宇宙人「しかし、だからといってあなたが裏切り者だという評価は、客観的に見て妥当なものだとは言い難い」
少女「……どうして?」
宇宙人「彼女はあなたと友好関係をもつに当たり、『常に自分よりも可哀想な子であれ』という契約を結んだわけではありません」
少女「……」
宇宙人「そしてまた、彼女のあなたに対する『常に自分よりも可哀想な子であってほしい』という期待も、あなたの種族の価値観に鑑みるに、正当な期待であるとは言い難い」
宇宙人「『無闇矢鱈に暴力を振るわないでほしい』という期待や、『私の陰口を叩かないでほしい』といった期待は、あなた方の文化では種族間関係における正当な期待と言えるでしょうが、彼女の期待についてはそうは言えないということです」
少女「……」
宇宙人「……分かりにくければ、はっきりと言いましょう」
宇宙人「あなたは、悪くない」
少女「でも……彼女を、傷つけたわ」
宇宙人「……」
宇宙人「彼女はあなたに身勝手な期待を抱いた」
宇宙人「そして、その身勝手な期待が叶わないことを嘆いているだけです」
宇宙人「期待も落胆も自分の世界の中で自己完結しているのですから、これは全き自己責任と言えるでしょう」
少女「……」
宇宙人「あなたに責任はない。あなたは悪くないのです」
少女「……」
少女「……『責任』ってね、突然誰かのもとに生まれたり、いつの間にかなくなったりするものじゃないと私は思うの」
宇宙人「え?」
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