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少女「あなたの言うことも頭では分かってるの。彼女のことで私に非はないんだって」
少女「でも理屈じゃなくて……彼女を傷つけてしまった事実を、私はもう既に自分のものとして引き受けてしまっているの」
少女「自分の意思とは無関係に、彼女の言葉を引き受けてしまっているから……」
少女「だから、私には彼女を裏切ったんだっていう責任が、やっぱりあるんだと思う」
宇宙人「……」
宇宙人「あなたがそう言うなら、これ以上は何も言いません」
宇宙人「しかし、それは辛い生き方ですよ?」
少女「……そう、かな」
宇宙人「あなたの考え方は、自分自身に過失がない場合ですら、本来負う必要のない責任を無理に背負いこむ者の思考です」
宇宙人「それは自身に対して一点の曇りすら看過すまいという狭量な態度であり、また柔軟性のない思考であると言えます」
少女「……」
少女「…………もう、寝るわ」
宇宙人「……はい。おやすみなさい」
***
少女「……」
宇宙人「おかえりなさい」
少女「……」
宇宙人「日に日に『恐怖』の色は濃く、形は激しくなっています」
少女「……」
宇宙人「そんなに辛いなら、学校になど行かなければよいのでは?」
少女「……」
少女「……友達が、ほしいの」
宇宙人「……」
少女「……」
少女「ねえ」
宇宙人「何ですか?」
少女「あなたには、お友達、いるの?」
宇宙人「……ふむ」
宇宙人「情報交換を頻繁に行う個体はいますが……それはきっと、あなた方が言うところの『友達』ではないでしょうね」
少女「……そう」
少女「あなたも……友達いないんだ」
宇宙人「……」
少女「ふふ……ふ……」
宇宙人「どうして嬉しそうなんですか?」
少女「……別に」
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