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少女「はぁ……」
宇宙人「……わたしは、あなたの生命の弱まりが心配です」
少女「……」
少女「『感情』の供給源がなくなるのが心配なだけじゃないの」
宇宙人「……」
少女「……ごめんなさい」
宇宙人「……」
少女「ママが呼んでるわ」
宇宙人「はい。いってらっしゃい」
少女「……」
***
宇宙人「学校に行かないのですか?」
少女「……今日は休みなの」
宇宙人「ああ……そうでしたか。何を読んでいるので?」
少女「小説よ。SF小説」
宇宙人「へぇ。小説を読むのがお好きなんですか」
少女「ええ。ここ最近は余り読んでなかったけど、小説に限らず本を読むのは好きなのよ」
宇宙人「なるほどなるほど。年齢のわりに語彙が豊富なわけがわかりました」
少女「本を読んでいるときだけはね……なんだか心が落ち着くの」
少女「想像の世界で活躍する主人公たちに感情移入している間は、嫌なことを忘れられるもの」
宇宙人「いま読んでいるのは、どんなお話なのですか?」
少女「いま読んでるのは……宇宙人と出会った女の子のお話なの」
宇宙人「え?」
少女「ある日突然、一人の女の子のもとに宇宙人がやってくるの」
少女「宇宙人は変な姿形をしているんだけど、なぜだか憎めないヤツで……」
少女「次第にね、女の子と宇宙人は心を通わせて、仲良くなっていくの」
宇宙人「……」
少女「ふふ。まるで、今の私たちみたいでしょう?」
宇宙人「……」
少女「本当に、まるで……まるで、私たちのことを描いたみたいなお話……」
宇宙人「……」
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