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少女「……」
宇宙人「……」
少女「そういえば、あなたはどうしてこの星にやってきたの?」
宇宙人「……」
宇宙人「我々の種族の生体維持には、他の生命体の『感情』が不可欠であることは何度もお話ししたと思いますが」
宇宙人「これは必然的に、生命体、それも高次の知性をもつ生命体の存在が、我々の種族の存亡の鍵になるということです」
少女「あぁ、つまり……」
宇宙人「はい。我々は常に感情エネルギー採集地の開拓を行なっているのです」
宇宙人「私はこの星に現地調査として赴いた開拓員の一人です。私以外にも、何人かの仲間がこの星に降り立っています」
宇宙人「しかし、思いがけない事故で宇宙船の一部機能が壊れてしまったため、こうしてあなたにお世話になっているわけですね」
少女「……なるほど。そういうことだったのね」
宇宙人「あなたは……」
少女「ん?」
宇宙人「私たちが、どのような経緯で出会ったか覚えていますか?」
少女「……」
少女「……え?」
宇宙人「……なぜ、宇宙人の私が、あなたのもとに来たのか。私たちの出会いの記憶が、あなたにはありますか?」
少女「……えっ、え?」
少女「あ……」
宇宙人「……」
少女「……お、覚えてるわ。それはもう、も、もちろん!」
宇宙人「……」
宇宙人「……そうですか。それならばいいのです」
***
少女「……ヒック…………ヒック……」
宇宙人「……どうしたのですか」
少女「……ヒック……もぅやだぁ……」ポロポロ
宇宙人「……」
宇宙人「また、お父様に悪戯をされたのですか?」
少女「……ヒック……グス……………」ポロポロ
宇宙人「……」
少女「……ヒック……」ポロポロ…
宇宙人「……」
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