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少女「でもそれだとわたし、感情がなくならない?」
宇宙人「大丈夫です。そんな心配はいりません」
宇宙人「感情を生み出す能力を奪うわけではなく、生み出された結果としての感情を利用するだけですから」
少女「じゃあいいけど」
宇宙人「ありがとうございます。それでは感情採取装置を身体にとりつけさせて下さいね」
少女「……いいけど」
宇宙人「しからば……よいしょっと」ペタペタ
少女「あっ! エッ○!」
宇宙人「えっ」
少女「……エッ○ぃ」
宇宙人「い、いえわざとじゃありません。というかそもそも種が違うのでやましい気持ちとかないですから」
宇宙人「これで準備は終わりました」
少女「ふーん」
宇宙人「とりあえず笑ってみて下さい」
少女「……」
少女「う……うふふ?」
宇宙人「ダメですね。全然ダメダメです。気持ちがこもってません」
少女「……」
少女「えい」ツン
宇宙人「あっ! 痛い! なんでですか!? すみません!」
少女「文句があるなら自分に装置をつければいいと思うわ」
宇宙人「そうしたいのは山々なのですが、我々は半分生物じゃないので、感情の変換効率が悪すぎるのです」
少女「えっ」
宇宙人「えっ何ですか? 驚くところですか?」
少女「驚くところだと思う。半分は生き物じゃないの?」
宇宙人「そうですよ。宇宙では半生命体は珍しくもありません」
少女「生命以外のもう半分はなんなの?」
宇宙人「色々な場合がありますが違いますが、我々の種族の場合には『情報体』ですね」
少女「じょうほうたい?」
宇宙人「情報体というのは一種の物理的存在です。しかしあなた方の知性では正確には理解できないでしょう」
宇宙人「……そうですね、お化けみたいなものだと考えて下さい」
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