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宇宙人「あなたをいじめる者達を、皆殺しにしてあげましょうか?」
少女「……なにそれ」
宇宙人「あなたには一宿一飯どころではない恩義がありますから」
宇宙人「一切の痕跡を残さず消滅させることも可能ですし……」
宇宙人「お望みならば、苦しませながら相手の生命を断つこともできますよ?」
少女「……」
少女「……ダメだよ、そんなの」
宇宙人「どうしてですか?」
少女「だって……」
少女「だって、悪いのは私だもの」
宇宙人「どういうことですか?」
少女「……わたしはもらわれっ子で、パパとママは嫌々わたしを養ってくれてるの」
少女「ママは『親戚の子だからって貧乏クジ引かされてこっちは散々よ』って言って、怒ったり、叩いたりするの……」
少女「パパはわたしのこと、その…………身体を撫でてきたりとか……」
少女「でも、わたしはパパとママのおかげで生きていられるんだから、多少のことは我慢しないといけないの」
宇宙人「……」
宇宙人「学校のことは?」
少女「……」
少女「……お風呂にはたまにしか入れないし、お洋服もほとんど持ってないから、みんなに『臭い』とか『汚い』って言われてるの」
少女「仕方ないよ……自分でも汚いって思うもん」
宇宙人「……」
少女「パパとママはわたしを養ってくれてるから……仕方ないし」
少女「学校のみんなも……私が汚いから仕方ないんだよ」
宇宙人「……」
宇宙人「あなたはとても賢いのですね」
少女「えっ?」
宇宙人「あなたの種族の同年代の個体と比較すると、随分と聡明のようです」
宇宙人「自分を取りまく環境を正確に理解しており、その上で自分の感情を抑制する術を心得ています」
少女「……」
少女「なにそれ……変なの」
宇宙人「……ただ、これは私があなた方の種族の『責任』の概念をきちんと理解していないだけなのかもしれませんが……」
宇宙人「私には、あなたが『責任』と『原因』とを混同しているように見えます」
少女「??」
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