出会い

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――4月 ヒラヒラと桜の花びらが舞っている。 でも、私は急いでいた。 高校生としてはじめてのとき。 入学式に遅刻をした。 「おかしいなぁっ…ケータイのアラームちゃんとセットしたのにぃっ」 走りながら愚痴っているのは高校1年生になった佐伯ひよりだ。 髪も心なしかはねている 小さな掌で寝癖を直す。 ひよりは容姿がいい。 ふわふわな色素の薄い髪にきゅるんとした瞳。 ふっくらとした桃色の唇に薔薇のような頬。 でも1つだけコンプレックスがあった。 それは、背が小さいことだった
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