卒業

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ぎしっ……。 握る、というには強すぎる程の力で手首を握られ、思わず顔をしかめた。 「潤、痛い」 腕を捻って逃れようとするが叶わず 「めぐちゃん、何隠してるの?」 いつもの柔和な笑顔を完全に消し去り問いつめてくる潤に、じわりと涙が浮かんでくる。 こんな所で泣きたくない。 今泣いてしまったら、ひた隠しにして来た気持ちが全て台無しになってしまう。 私は喉の奥にぐっと力を入れると、手首を握っている潤の手の上に反対の手をそっと添えて潤を見上げた。 「何も隠したりなんかしてないから、離して?」 笑ってそう言った………つもりだった。なのに 「じゃあ、何でそんな辛そうな顔してるの?」 私の感情はダダ漏れだったらしい。
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