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「潤くん、今朝Y女の子にコクられてたらしいよ」
昼休み、お弁当をつつきながら窓の外をボンヤリ眺めていると、向かい合ってお弁当を食べていた亜沙美にそう報告をされた。
「…知ってる。近くにいたし」
興味無さげに答えると、わざとらしいため息をこぼされる。
「アンタって何でそうかね?」
「何が?」
「何がじゃないよ!それ見て何も思わないの?」
「あぁ……可愛い子だったよ。上戸彩に似てた」
「そういう事じゃなくて!!」
机を手のひらでバンバン叩かれて、私は渋々顔を上げた。
「別に……他には何も思わない、けど?」
そう言ってすぐに視線を残りのお弁当に戻すと、その答えがお気に召さなかったらしい亜沙美のフォークが私の半分以上残っているご飯の上に突き刺さった。
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