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「何買うの?」
「レポート用紙」
「今頃?あ、大学で使うやつ?」
「あー……うん、まあ、そんな所かな」
隣に並んで歩く潤に、おかしな気配を悟られない様に神経を張りつめて歩く。
自分の気持ちの事もだが、もうひとつ、私は潤に嘘をついている事があった。それは
「めぐちゃんはこのままうちの大学なんでしょ?」
進学先だ。
潤への邪な気持ちをしまうと決めた時、大学進学を機に潤から離れると私は決めた。
エスカレーター式の学校で、ずっとそのまま上に行くと言っていたのに、3年になって急遽私は進学先を地方の大学に変更したのだ。
普段、真面目にしていたおかげで推薦ももらえ、4月からは地方で一人暮らしをする事を潤にはまだ伝えていなかった。
親にも、潤には引っ越しまで黙っていてくれと頼んで決意を鈍らせない様にまでして。
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