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「飛ぼうよ。」
そう言われた。
「やっぱり無理だよ。私、怖い。」
「しょうがないだろ。俺たち、やっちまったんだから。」
「でも、もっと別の手があるでしょ?」
「無いね。世界がひっくり返ろうと無いね。」
なんて、そんな自信満々に言われても!
「いやいや、考えてないだけでしょ!考えるのを放棄してるだけでしょ!そんな諦めたようなこと言わないでよ。」
「だけど、もう後戻り出来ないんだよ!俺たちはやるしかないんだ…!」
「うわ、めっちゃ中二くさい。」
「やめて。そんな真顔で言わないで。ものすごい恥ずかしい」
「あなたの中の羞恥心を刺激する事に興味はないわ。それより、この場を逃げる方法はないのかな…」
「うん、君の俺への評価が確実に下がっていってるね。」
「…。」
「無視か。…いや、君は飛ばなくてもいいよ。俺は飛ぶから君は逃げろ。それでチャラにしてもらおう。」
「そんな都合の良いことが出来るのかな?」
「そうゆう都合のいいことは聞こえるんだね」
「いや、でも、やっぱりなぁ…」
「うん?」
「うん、やっぱり私も飛ぶ。あなたに貸しを作るのは非常に屈辱だわ。」
「そっか。俺の評価の低さにびっくりだな!」
「じゃぁ、飛ぶよ!3…2…」
「待って待って!カウントさせて!」
「…はぁ、どーぞ。大事なところで小心者のあなたに譲ってあげるわよ」
「悪かったな。小心者で。じゃあ、飛ぶぞ。3…2…1…go!」
バンジージャンプ
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