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「先生…修羅くんが変わっている事は俺も知っています。」
女子の身でありながら男装を拒まず、忍で、人を斬る事もできる。
「でも、あいつは俺達の仲間なんです。仲間を疑ったりなどしません。ここは隊士達皆の家なんです。
そして不甲斐ないが、俺が父親です。子を守るのは親の役目です。」
松本先生は驚いた風だった。
新撰組は冷酷非道と言われているからな。
渇いた笑いが口から漏れた。
「そうですか…どうやら私は新撰組の事を少しばかり誤解していたのかもしれませんな。」
和やかな空気が流れる。
そう…まるで昔、まだ京に上洛する前のような…
「そろそろ掃除の様子を見てきます。何かあったら何時でも言って下さい。」
「えぇ、ありがとうございます。」
平和だ。
鳥の囀りが聞こえる。
雲が気持ち良さそうに流れている。
普段俺たちがしていることをうっかり忘れてしまいそうなほどに。
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