蛇穴を出づ

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「沖田組長、副長から安静にするようにと命じられたのでは?」 「何だ、君か…。今日は調子が良いんだ。それに雪が綺麗だ。」 いつの間にか季節は巡り雪の積もる冬となった。 木の葉では滅多に雪が積もらないから、新鮮だ。 それでも、沖田組長が外に出るのは好ましくない。 まぁ、私の言葉なんか聞かないだろうが。 「せめて、何か羽織っていたら副長にも言い訳できるんじゃないですか?」 「へぇ。君は土方さんの肩を持ってばかりなのかと思ったら意外とそうでもないんだね。」 悪戯っぽく笑っても、その顔は以前とは違う。 かなりやつれた。 結核…労咳だった。 この世界では不死の病だそう。 木の葉なら簡単に治っただろう。 でもここではそうもいかない。 ずっと沖田組長はその事を隠していた。 だが、彼の体はそれを許さず容赦無く皆に分かるほどにやつれていった。 「ねぇ。」 「はい…!」 いきなり呼ばれて驚いた。 「君はさ、僕を見て笑う?」 「は…?」 その眼は真剣だった。 「病気には本来人は中々勝てないものです。」
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