蛇穴を出づ

9/12
前へ
/274ページ
次へ
「結構な数の隊士にそう言ってるらしいんだよ…近藤さんの事を馬鹿にしてから、自分について来いってよ…」 「僕、あの男斬りに行っていいですか。」 あまりのことに誰もが口を開けれずにいる中、病人である沖田組長が口を開いた。 それも中々に物騒なことを。 でも…沖田組長の目は本気。病人には到底見えない鋭い目だった。 「総司、その殺気をしまえ。」 「でも土方さん!!!」 「今は時期じゃねぇ。」 なんだ。しっかりとしてるじゃないか。 蛇に自由に這い回らせておくなんて事を鬼が許すはずない。 「お前らは伊東が言いよってきても適当に流しとけ。それと斎藤、少しここに残れ。」 「御意。」 なんだかんだで話は終わり、解散となった。 その中で私が気になったのは、 1度も口を開かずに下を向くだけの 藤堂組長だった。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

424人が本棚に入れています
本棚に追加