転校生

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 某K県の神無城市にある神無城中学、この中学の生活も三年目に突入し、すでに半年近くが経過している生徒達のクラスに、一人の転校生がやってきた。少子化と過疎化の影響を受け、たった二十二人しかいないクラスに突然新しい生徒を迎え入れる事になった学生達は、どんな子がやってくるのかと浮き足立っている。不思議なことに、彼らにはその転校生が男子なのか女子なのかも分かっていないのだ。そのため、謎めいた転校生の話題で朝からざわざわとしている教室に、ついに教師が姿を現した。その瞬間、教室内は一瞬喧騒をより大きくし、その次の瞬間には一気に静まった。  耳の痛くなりそうな静寂を、教師は満足そうに受け入れ、教壇の上に立つ。
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