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みんなが帰ったあと、春斗も真弓も疲れたのかすっかり夢の中。
ベッドへ入りながら誠に声を掛ける。
「ね、誠さん知ってたの?」
「帰ってくる途中で聞いた」
「そっか。なんだか忘れられない誕生日になった」
そう言って横になる春。ふわりと誠に抱き寄せられると誠の胸に顔を埋める。
「そうだな」
「ふふっ。幸せ」
そう言って嬉しそうに笑う春。
「春、俺さ」
「ん?」
じっと誠を見つめると困ったような表情を浮かべる。
「どうしたの?」
じっと見つめながら聞くと照れたような困った表情をする。
「・・・プレゼント。。。今度の休みに買いに行かないか?」
そう言われ思わず吹き出してしまう。
「ふふっ。誠さんも忘れてたのね」
「・・・」
「ここのところ忙しかったから。仕方ないよ。当人が忘れてるんだから」
そう言って笑うと強く抱きしめられる。
「本人忘れてても夫は忘れちゃダメだろ」
「ふふっ。忘れてたのね」
「うっ・・・」
「プレゼントなんていいの。こうやって毎日顔が見れて、毎日名前を呼んでくれて。毎晩こうして腕の中で眠りに付く。それだけで十分幸せ」
そう言うとそっと唇が重なる。
「・・・欲がないな」
「あら、欲張りだよ?だって毎日誠さん独占してるんだから。これ以上の欲張りはないよ」
そう言って笑う春。
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