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時田 春(ときた はる)
今年で24歳、最近やっとで彼氏と別れ昔の明るさを取り戻していた。
仕事が終わり、同僚と話始めるとそのまま飲みに行くことになった。
意気投合し、時間も忘れておしゃべりしていた。
そんな時、会社の人が何かに気づくと片手を上げる。
「また頼むの?」
笑いながら言うとどうやらそれは店員ではなく、違う人のようだ。
「何、デートか」
会社の同僚の隣へ立つと笑ってる彼。
背が高くがっちりタイプの人。
「そっちこそ。あ、はじめまして」
隣にいた彼女らしき人にのんきに声を掛けるのをただ見つめていた。
「デートか、いいねぇ」
そう言って笑うと苦笑いの彼。
「そっちだってデートだろ」
「デートだよねー」
急に同意を求められ慌てる。
「デートって。これデートになるの?」
笑いながら言うと今気づいたような顔をする。
「デートにならないのか…ざーんねん」
そう言って笑う同僚。
「デートなら奢りね?」
「えー」
「えーって。じゃぁデートじゃないじゃん」
笑っていうと納得したように笑う。
「そちらはデートですよねー。引き止めてごめんね」
同僚が彼女に言うとぺこりと頭を下げる彼女。
「デートねぇ」
呆れたように言う彼に少し首をかしげる。
「ま、邪魔しちゃ悪いからまた連絡するわ」
同僚が言うと片手をあげて行ってしまう。
「結構かっこいいだろ?」
「え?あぁ、背高いね」
「同級生。昔良く悪いことしてたの」
「あはは。悪いことって自分で言う?」
そんなことを話ながら飲んでいた。
時間にして日付が変わる頃。
さすがにお開きになった飲み会に外へ出る。
「送るよ」
「あ、大丈夫。反対方向だし。どっかでタクシーでも拾うよ」
そう言って歩き出す。
「でも、かなり遅いしまずいっしょ」
そう言われても大丈夫の一点張りをした。
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