”なんでもやる隊”構想逸話

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偉そうに腕組みしながら本部長は、両部長の攻防戦を眺めていたが、その間隙をつき口を挟んだ。 「よし、それは面白い!いい発想だ! 県民、いや府民も喜ぶことだろう。それでは警務部長、早速、新年度4月1日に発足するよう予算交渉しなさい」 「えっ、今の時期、県に追加要求は難しいかと……」 「何を言っとるんだ。このチームは九州府を管轄するんだから管区警察局に交渉だ。私も局長に話しますから……」 キャリアの命令に逆らえない準キャリアの警務部長。 会議終了後、両肩が落ち頭を垂れて会議室を出る成田警務部長と羽田刑事部長。 喜色満面で小躍りし、社交ダンスのステップで軽やかに退室する伊丹交通部長。 このようにして、交通部長の“おったまげ発言”で、九州府警察の“スペシャルチーム”構想が浮上したのだった。
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