出会ったのは、見たこともない生き物だった。

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   俺は絶句した。そして、絶望した。……その生き物を目にした直後に。  ──森へ辿り着いた俺は、少し息を切らしながらも緑溢れるそこに足を踏み入れた。  足裏に伝わる感触が、少し変化する。草原の地面より、森の地面の方が柔らかな感触がした。黒っぽくて、樹の幹の皮やら生き物の糞や死骸やらの腐った残りかすがちらほらと見えるそれは、所謂腐葉土と呼ばれるものであろう。  木の葉の間から射し込む光──木漏れ日が、ちらちらと風に揺れる。鳥の囀ずりが煩いぐらいに聞こえてきて、俺は頬を緩めた。 (これが、森か……)  どこか湿っぽい空気は、ひんやりとしていて気持ちが良い。 .
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