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「…家賃、光熱費、食費は全部こっち持ちでいい」
小遣いもほしい?なんて。
びくり、肩が跳ねた。
この条件じゃまるで―――
「(…私が必要なもの全てじゃないの)」
少し、怖くなる。私に都合がよすぎて。
その真意を確かめるべく、ゆっくりと振り向けば。
「俺に飼われてみない?」
余裕の笑みを浮かべる男。
小さく上げた口角さえも端正な顔立ちに合ってるのだから、小憎らしい。
一体、何をどこまで知ってる?
私に帰る場所がない、と。
この食えない男はどうしてそれを知ることが出来たのだろう。
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