序章

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西暦2020年 世界各国に突然、《バーン》と呼ばれるカードサイズの謎のプレートが突然世界中に広まり始めた。 それが持つ力を利用した者による犯罪が徐々に増えてきており、各国の首脳陣は頭を悩ませていた。 なぜ彼らがこんなにも悩んでいるのか。 その理由は、まず1つはバーンが持つ力が未知数で人類が現段階で所有している兵器で対抗する事が期待できない事にある。 そしてもう1つはバーン所持者とそうでない者を区別する事ができない為に迂闊に攻撃に踏み込むことが出来ない事もある。 このような理由によりバーンは世界の力のバランスを崩し続け、普通の軍や警察では治安を守ることが出来ないのが現状となっていた。 そしてそれから5年後… 「ま、待ってくれ!俺はある男に従ってただけで何も知らなかったんだ。信じてくれよ」 「あなたは本当に何も知らないのですか?」 深夜のビル街で会話をする二つの影があった。 一方は跪いており、もう一方は立って相手を見下ろしている。 「俺が嘘なんてつく訳ないだろ。バーンを破壊されてるんだぜ?それに今ではこの世界は力ある者に従えがルールだからな」 跪いている方は男で女に敗北したことにより命乞いをしているらしく、もう一方は女で男から奪い取ったらしいバーンを手に持ちながら何らかの情報を聞いているようだ。 「では、何でも構わないのであなたが知っている事を全て話して下さい」 「わ、分かった。俺が知ってる事と言えば、その男は宗礼高校の生徒でバーン所持者を味方にしていろいろしてるって事だけだ」 「そうですか、分かりました。ありがとうございます」 そう言うと女は携帯を取り出し、警察に連絡をする。 「バーン所持者を確保。すぐに連行の準備をお願いします」 そう言ってから女が携帯の通話を切り、男の方を見たときだった。 「…なっ!」
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