兄と妹…

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「…島崎…こいつが、振られた相手、知りたいの? …なんでなの?」 「だって、気になるじゃない…元カノとしても、妹としても…どんな人が、好みなのかなとか…。」 「くふふふ…君も、会ってるよ、彼女には。」 「えっ?誰?」 「…沙也加だよ。」 「嘘ぉ!…もしかして、取り合いしたの?二人で?」 「…しない、しない。 大野は、沙也加に。 沙也加は、俺に。 片想いしてたの…。 で、大野のアプローチに、負けそうになった沙也加はさ、賭けに出たんだ。 俺に、告白して、ダメなら、素直に大野の気持ちを、受け取ろうって…。 ああ見えて、沙也加って、結構、押し強いんだよ…。 俺がね、負けたの沙也加にさ。 そんで、大野には、申し訳なかったんだけど、付き合うことにしたんだ。」 「…いきなり、『吉野沙也加と付き合うことに、なったから。』…なんて、こいつ、サラっと、言うから、胸倉掴んじまったよ…。 その後で、吉野さんから、ちゃんと、お詫びと、俺への返事、もらったからな。納得しないと…。 うだうだ言ってたら、格好悪いからな。」 「…島崎、心配しなくても、彼女なら、こいつ、すぐ出来ると思うよ。 なんせ、社の中に、ファンクラブ、いくつもあるんだからさ。」 「ファンクラブが、いくつも?! …そんなに、人気あるの?誠って。」 「まあね。」 照れ臭さそうに、している誠は、新鮮だった。 「…島崎も、負けずに、いい男探せよ、なっ。」 斎藤のエールが、嬉しかった。
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