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片付けを始めたのが、水曜日…。
木曜日は、奥の部屋と、クローゼットの一部。
金曜日は、クローゼットの残りを片付けた。
初めて、ここに、泊まった日に、翔太が、気に入ったのがあったら、着てやって…と、言ってたから、よさげなのを見るんだけど、結構、お母さんは、小柄だったみたいで、みんなサイズが、私より、一つか、二つ、小さかった。
私でも、着れそうなサイズとデザインの服を、数着だけ残して、後は、処分することになった。
お父さんのは、翔太が、何本かのネクタイを、選んで残しただけ。
「…父さん、俺より、でかいんだよね。
だから、みんな、ブカブカなんだ。
小物以外は、使えないよ。
本当に…役に立たないね。いい品物でも、使えないなら、宝の持ち腐れだよ。」
「…あれ?この箱、なんだろう?」
奥の方に、あったので、気づかなかったが、とても綺麗な箱が、一つ、仕舞われていた。
「…開けてみようか。」
埃を払い、箱をそっと開けてみると、何冊ものアルバムと、日記帳らしきもの。
取り出して見てみると、そこに、写っていたのは、赤ん坊の頃の翔太だった。
「…これ、祖父ちゃんと祖母ちゃんだ。
こっちは、父さんで、こっちは、母さん…。」
「じゃあ、これは、翔太よね?」
「…うん…たぶん…。」
私は、日記帳を、めくってみた。
「…育児日記…。」
【×月×日 お天気・晴
翔太が、私をじっと見て、笑ってくれました。…本当に、天使のようです。幸せをありがとう。】
【×月×日 お天気・曇りのち雨
すごい!すごい!
なんと!翔太が、寝返りをしました!
コロンコロンしていて、もう、むちゃくちゃ可愛い!】
【×月×日 お天気・晴
立っちが、出来るようになって、翔太の表情が、増えました。
不機嫌な顔とか、力を込めた顔とか、おすましな顔や、愛想笑い?まで、できるのね。
すごい!赤ちゃんて、本当にすごい!】
読みながら、私は、なぜか泣いていた…。
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