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「ここにあるの…全部、翔太の記録だよ…。
すごいもの、私、みつけちゃったよ…。
きっと、お母さんからのプレゼントだよ。
いつか、翔太のお嫁さんになる人のために、残してくれてたんだ…。」
一番上の、日記帳の最初のページに、こう書かれていた。
【私の大切な赤ちゃん…翔太。
この子も、いつか、私達の様に、結婚して、親になると思う。
その時、少しでも、私は、役に立ちたい
我が子の成長の記録をつけながら、いつか、出会える、翔太のお嫁さんに、これを残したい。
ちょっと、先走りすぎで、お節介かな…それでも、私は、書き残しておきたい。
目の前の幸福を…】
「素敵なお母さんね…。翔太のお母さんだけ、あるわ。
これ、捨てないでね…。
私、お母さんの気持ち…受け取りたいから…。
いつか、翔太の子供を、抱くときに、きっと、役に立つよ。」
「…沙也加。」
「ほら、言った通りだったでしょ、翔太。ちゃんと、宝物、見つけたよ。」
「本当だな…本当に、見つけたな!すごいよ、沙也加は!」
「…えへへへ。」
これは、もうちょっと後のことだけど、リフォームが終わった、この家に、私が、ちゃんと引っ越してきてから…この箱の中にお母さんにとって、もっと大事な宝物が、入っていたのを、見つけたの…。
お母さんにとって、たぶん命の次くらいに大事なもの。
小さな桐箱にね、翔太の臍の緒が、入っていたの…。
それは、お母さんと翔太が、繋がっていた証…命の証なんだよ。
宝探し…想像以上のお宝見つけちゃったよ、私は。
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