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「…よお!おはよう!」
「ああ、大野。おはよう。
あれ?お前、なんだか、機嫌いいね。」
「おう!そりゃもう、抜群に、機嫌いいよ!
今なら、悪口言われても、笑ってられるな、多分。」
そう…俺は、今、すこぶる機嫌がいい。
同僚に、どうしたんだ?と、首を傾げられるくらいにだ。
「おはよう。…誠、お前、なんかあった?」
「おう!おはよう、翔太。…やっぱり、わかる?」
「わかるも何も…幸せオーラ全開だぞ。」
「そう!そうなんだよ!
俺、今、すご~く幸せなんだよ。
見つけたんだ、俺の天使!
ふわふわで、やわらかくって、温かな、可愛い天使がさ、目の前に、舞い降りたんだよ!」
「ふわふわでって…なんだそれは…?」
「お・ん・な・の・こ♪」
「…お前なぁ。…つい、この間、沙也加以上の女なんて、簡単に、見つけられないって、俺と本人の前で、言ったとこだろう…。」
「うん…確かに言った。
でも、あの時は、実際、そうだったんだから、仕方ないだろ。
なあ…奇跡って、あると思うか?
俺は、彼女に出会って、あるって、確信したんだ。
運命だよ…彼女に出会ったのは!絶対だ!」
俺は、翔太に、簡単にだけど、人混みが、スッと分かれて、彼女を見つけたことや、亜美に感じたような気持ちを、彼女に持ったことを、話した。
「それで、彼女は、誠と、付き合ってもいいって言ったのか?」
「…ああ、言ったよ。」
「そうか…おめでとう。」
翔太は、にっこり笑いながら、そう言ってくれた。
「何が、おめでとうなの、翔太?」
「誠に、彼女が、出来たんだよ。」
「そうなの?」
「ああ、可愛い子だよ。」
「おめでとう、大野君。」
「沙也加さん…俺、これから、頑張っちゃいますよ。見ててくださいね!」
その日、一日、俺の顔から、笑顔が消えることは、なかった。
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