はじまり

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「○○新聞社の××です。一部マスコミで取り上げられた米軍や自衛隊、それに中国や北朝鮮の工作員と思われる者による、全国の防犯カメラの閲覧記録があったというのは本当なのですか?」  会議があった二日後、防犯カメラの閲覧についての記事が一部週刊誌にスッ羽抜かれた。 「誰がリークしたんだ!?」  捜査本部は泡を食った。内容が内容だけに厳重な箝口令(かんこうれい)が敷かれていたはずであった。  騒ぎは国を越え、外務省からの苦情が警察庁に届き、我々は一事身動きを制限された。 「中村さん、一体誰がリークなんてしたんでしょうね?」 「藤田、余計なことは言うな!我々内部で疑心暗鬼になってしまったら、捜査はどうなる!」 「すいません」  しかしその疑心暗鬼の空気は捜査本部内に充満してしまった。一部マスコミが 「今回の事件、警察内部に真犯人がいるのではないか?と噂されていますが、その辺は捜査対象になっていますか?」 という発言をしたためだ。
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