米兵による殺人事件と新興宗教の殺人事件

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「住職、“立ちんぼ”たちは今日はどうするんですかね?」 「立ちんぼ?…あぁ彼女(店に属さない売春婦)たちを東京ではそう呼ぶんですね」  青森県の漁港には、今でも個人営業の売春婦たちが遠洋漁業から帰って来た男たちに身体を売る。遠洋漁業から帰って来た男たちは金を持っている。性にも飢えているから、そういう商売が暗黙の中で行われているのだ。風俗店を開けばよいのでは?て簡単にいってしまいそうだが、遠洋漁業は一年を通してあるわけではなく、店舗としては経営が成り立たないのだ。 「ここを知らない人間は『なぜ、彼女たちは避妊具をつけないのか?ピルを常用しないのか?』そう思われるが、まずここで身体を売る女性たちはマトモな家で育った者などいない。小学校もまともに行っていない者ばかりだ。しかも避妊具は彼女たちの売りの一つなんですよ」 「避妊具が売り?」 「えぇ、避妊具付きならいくら?避妊具なしならもういくら?って具合でね」 「そうですかぁ…そうして生まれてしまうわけなんですね」 「えぇ」  私は彼(主犯)の生い立ちを知るたび、事件と重ね合わせていた。
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