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私はその様子を見ながら溜め息をこぼした。やるせなさが込み上げていたのだ。
興味本意のマスコミになのか?犯人へのなのか?犯人をそうさせてしまったこの港の環境になのか?それともそれらすべてへなのか?
事件ははじめの4件と合わせ、日本全国で155名の被害者を出す大事件へと発展するのだ。
「…かといってマスコミばかり責めていても仕方ないですな。我々も…」
広島県警の柿田さんがそういいかけた時、今回の事件の係官が我々のところにすっ飛んで来た。
「皆さん!捜査本部に戻って下さい。5件目と思われる事件発生!被害者は3人。今度は秋田県だ!」
「何ですと!?」
30歳代と思われる男性2名と、同年代の女性1名が、また惨殺体で発見された。後に彼らもまた睡眠薬を飲まされた後に、生きたまま惨殺されていた。しかも彼らは3人とも性器を徹底的に傷つけられていた。男性2人は陰部をガスバーナのようなもので炙られ、切り取られていた。女性の方は、陰部に釘を数本打ち付けたバットのようなもので引っ掻き回された痕があった。
秋田県での事件後、捜査本部は全国の警察に通達を出したが、翌日新たな事件が起きた。
「中村さん、また惨殺遺体発見されました!」
「どうなっているんだ!?」
私はそれを伝えた藤田に声を荒らげてしまった。
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