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「やはり…とは?」
「ここいら一帯は防犯カメラがほとんどありません。今や少年たちにもそれが知れ渡っていて、犯罪の巣窟になってます。もちろんそういう場所への巡回の強化はしていますがね、なにぶん人手不足でして」
「そうです…かぁ」
私は北野さんのその言葉で、犯人組織なり犯人たちが相当に綿密な計画を練り、資料集めをしていることを予見した。捜査本部に戻るとそれを伝えた。
「インターネットっていうのが私にはどれだけのものなのか?よくわからないのですが、例えば全国の“防犯カメラの死角”みたいなことを検索など出来るものなのですか?」
「中村さん、我々もその辺を探ってはいます。インターネットでは閲覧記録を辿ることが出来ます。今回の犯人は防犯カメラや巡回警察官などのタイムスケジュールを熟知している可能性がある。ただし今のところそれに該当する人間は絞りきれていない」
「絞りきれていないということは該当する人間は少なからずいる!と?」
「明日の会議で説明しようと思っているのだが…ちょっと厄介な話しなんだ」
「厄介な話し?」
その厄介な話しの訳は次の日すぐわかったのだが、それにより事件は本当に厄介になってしまった。
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