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中2の春、奴はやってきた
「今日から通うことになったハティ・ウルバスだ」
始業式の日、突然先生が転校生を連れてきた
最初は外国人の転校生ってことでわくわくしてた
「彼は聴覚障害を持っているが、口の動きで何を言っているか分かると聞いている」
[へー耳が聴こえないのか…]
転校生である彼を見ると、青白い肌に真っ黒い髪と目、目の下に隈そして無表情
[病院から出たことなさそ…]
手に頭を乗せながらぼーっと先生の話しを聞いていると
「高本!手を挙げろ!」
「ぅえ!?」
名前を呼ばれ反射的に手を挙げる
「あいつの隣の席だ」
「……」
先生を見ていたハティが頷いてこちらに向かってきた
ガタンと音を発てながら隣に座った
「おい高本!ウルバスの世話を任せたぞ」
「え!?ちょっ――」
「ホームルーム終わり!授業に遅れるなよー」
俺の話しを聞かず、教室を出て行った先生
[どうやって話しをしろと!?]
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