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最大限の皮肉を込めて尋ねるとやはりというかピンズは青筋を立てて彼に食って掛かった。
「てめぇ、調子に乗ってんじゃねえぞ。ぶっ殺されたいのか。ああ?!」
ピンズの怒鳴り声に周りにいた同学生が喋るの止めてこちらに視線が集中する。それを確認したキースは再びため息を吐く。
(やれやれ、めんどくさい事になっちまったな)
これから起こる騒動を期待している連中に嫌な顔を出す。もともとは彼自身が招いたことだがそこの所は気にしない。
「てめぇ、キース何とか言えよっ!」
黙りこくっているとピンズが右拳を振り抜いてきた。
「おっと」
それを易々とかわすとピンズから距離を取った。
「あぶねぇな。当たったらどうすんだ」
「うるせぇっ!」
キースが睨みながら言うと彼は一喝してもう一度追撃が来る。キースはその拳を手のひらで受け止めた。
「…何だよやるのかよ?」
ピンズの拳を受け止めたまま尋ねた。
彼の口調には明らかに怒気をはらんでいた。もういい加減こいつの相手をするのはうんざりだ。
しばらくの間は自分に絡まないように痛め付ける。幸い、向こうから手を出してきたので母との約束に反していない。
そんな暴力的な事を考えながらキースは口を開いた。
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