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大勢の俺の仲間の中心まであいつらが足を踏み入れた時、
その時こそが俺たちの反撃の時だ。
足元は固められて動けなくても俺たちは考える事ができる。
沢山の仲間がいる。
その時俺たちは一斉に立ち上がりあいつらを覆い隠すだろう。
大きく広がった俺の躰があいつらを覆い隠すだろう。
油断しきったあいつらが俺たちの中心で喚き叫ぶようすが目に浮かぶ。
俺たちは昨日今日に目覚めたのではない。
俺が気が付いた時には俺の周りには大勢の仲間がいてそいつらが教えてくれた。
俺たちの歴史を、長年にわたるあいつらの虐殺を。
俺も初めて聞いた時は気が狂うかと思った。
暖かい太陽の陽を浴びて、やさしい雨を浴びて、
新鮮な空気を吸って幸せに生きて往けるものだと思っていたのに
そんな残酷な運命が待っていることなんて信じたくなかった。
俺より先に大きく育った周りの仲間たちはもうあいつらの犠牲になってしまった。
その時もう俺は悲しまなかった。
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