RESET

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 この後、僕は次から次へと人生を変えていった。 おそらく200人は軽く超えているだろう。 今まで平凡だった毎日がうそのようだ。 今日も僕は誰かの代わりになって学校へと向かった。 日にちは最初にボタンを押したときから2週間前。 学校に着くと僕は目を疑った。 何とクラスには誰もいなかったのだ。 それだけではない。 学校には全体で4,5人の生徒しかいなかったのだ。 突然、僕は覚えのない恐怖にさらされた。 そして無我夢中にボタンを押しまくった。 周りの景色が次々と変わっていく。 それでもボタンを押すのをやめなかった。 そしてついに、ボタンを押しても反応しなくなった。 壊れてしまったのだろうか。 周りを見ると、真っ暗で冷たい風が僕を覆った。 パッパー 車のクラクションが突然鳴り響いた。 ぐしゃ 何とも言えない音が夜の静かな空間で際立つ。 僕は車にぶつかり20メートルくらい先まで吹っ飛んだような気がした。 意識が遠のいていく。 ケータイの画面越しに僕は僕の顔を見てみた。 するとそこには見覚えのある顔が映っていた。 そして、次の瞬間、頭の中が真っ白になった。   あのボタンは『RESET』ボタン。 あれが誰から送られてきたのか分からない。 それでもあの日、何が起こったかだけは理解することができた。もう、もどることはできない。 なぜなら、あのボタンは『RESET』ボタンだからだ。 そしてそのまま僕は死んでいった――。
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