15章

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てか… 「椿姫って、国際学部なの!?出会った頃に薬学の文献持ってなかった?」 出会った頃、英文の薬学文献をかなり持っていたはず。 勝手に薬学部って思ってた。 「言わなかった?ちゃんと人の話を聞きなさいよ」 「うっ、言ってないわよー。」 椿姫って分からない。 焦りの気持ちから疲れの気持ちに変わっていく。 疲れた表情が出していると、涼子がソッーとイチゴタルトを出してくれた。 「二人とも本当に仲良しなんですね。えっーと…」 「私は浅田 陽子。これでも医学部よーあと、この無愛想な子とは最近知り合 ったばかりなの。」 椿姫との関係を誤解されたくないと思い、必死に説明した。 一般人から見れば、そういう関係までたどり着かないけどね。 念には念を。 涼子は落ち着いた雰囲気で、私の話に相づちを打ってくれる。 さりげない気配りが半端ない。 「私は法律学部です。法律について知っておけば、何かと便利と思って」 「法律学部って、結構難しいって聞くよー。凄いねー」 「浅田さんのが凄いですよ。医学部なんて、かなりの勉強家さんですね」 うっ、別に勉強家ではないと否定したかったけど、隣にいる椿姫がクスッと笑う。 身動きできないじゃん! 今日の私って可笑しいわ。 今までにないくらい焦ってる。 美人を見ると、真っ先に口説いていた。夜の相手のために…。 涼子という美人に完全にペースを持ていかれてる。私らしくない…。 色々と考えていると、耳元に暖かい吐息がかかった。 「タイプみたいね。頑張ってみたら?」 椿姫からの応援だった。 ガリ勉&奥手からのアドバイス…無性に腹が立つ。 「奥手の貴女には言われたくないんですけどー」 「私の問題と貴女の問題は違うわよ。フリーだったらの話ね。」 二人でコソコソと作戦会議を立てていた。 そんな様子を心配そうに見る涼子。
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