15章

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それから数日が過ぎた頃。 barのオープニングパーティーの日。 パーティーだから、おもいっきりお洒落をして店に向かう。 だって涼子が…。 考えると勝手に胸が熱くなる。 自分でも恥ずかしくなるくらい… 「変な妄想しないでくれる?顔がニヤけて気持ち悪い」 白と黒のバランスがとれたシックな服装に似合う椿姫。 「女の子に気持ち悪いは失礼でしょー!涼子が…バーテンダーの格好を想像すると…」 「余計に気持ち悪いから。その顔、落ち着かせて」 バシッ! 背中を強く叩かれた。 うっと声を挙げた。 怪力美人めぇ…、肺がぶつれかけたわよ。 椿姫を軽く睨むと、店の扉がゆっくり開いた。扉からある人物が出てきた。 「椿さん、陽子さん!いらっしゃいませ。」 落ち着いた低めの声。 赤茶色のパーマがかかったショートヘアーは綺麗に整えられ、バーテンダー姿が様になっている涼子。 私は一瞬だけ胸が羽上がるが、平常心を保とうと必死。 涼子は私達を店の中へ入れ、カウンター席に案内してくれた。 カウンター席にはニッコリ笑顔のマスターがグラスを拭いていた。 店は暗めでアロマキャンドルが所々、置かれており、癒しの空間になっている。 「いらっしゃいませ、お二人さん。今日は何でも注文してください。お客様第一号ですよ」 「そうなんですか。なら、マスターにお任せカクテルをお願いするわ」 マスターファンの椿姫が第一に食い付く。 私はバーテンダー姿の涼子を目で追ってしまう。 私達以外にもお客さんが入ってきて、落ち着いた姿勢で接客をしている。 「何でも出来るのねー」 ちょっと、嫉妬してしてしまう。 マスターがカクテルを受け取り、ゆっくりと口をつける。柑橘系の香りが口腔内に広がっていく。 「飲むペース考えてよね。店なんだから、接客は仕方ないし、生き生きと働いているなら見守りなさいよ。」 「うっ!人の心を読まないでくれる?私は別にそこまで考えてないからー」 どうして、いつも椿姫にはバレるのかしら。
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