15章

11/25
前へ
/242ページ
次へ
本当に綺麗な横顔。 ハーフだからかな? 今まで付き合ってきた子達にもハーフが居たわね。 涼子みたいな碧目は居なかった… 遺伝子的に碧目は出現する確率が低いって聞いた。吸い込まれそうな瞳。 バーボンを飲みほし、氷をクルクルと廻して、私をジッーと見てくる視線を感じる。 「そんなに好きなの?」 「椿姫~ストレートすぎるー。ただ、あの碧目が綺麗だなって思っただけ。」 「ふーん…。さっきから涼子、お客に絡まれてない?」 「えっ!?」 私は涼子の方へと視線を戻した。 私達が座っているカウンター席から少し離れたテーブル席に涼子が居た。 高級そうなスーツ姿の男三人くらいから、何か聞かれている。 しかも、男どもはしつこく聞いている様子。 涼子の爽やか笑顔ではなく、少し困った笑顔になっている。 マスターは!? 他の客を接客していて、それどころではない。椿姫が軽くため息をついて、私を横目で見る。 「騒ぎは最小限にしてほしいわ。どうするの、陽子?」 絶対、私を試す目だよ。 私は静かに席を立ち、椿姫の後ろを通りすぎて歩いた。 着いた先は…… 「お客様、うちのスタッフが何かいたしましたでしょうか?」 私は落ち着いた口調でサラリーマン三人組の席の前に立つ。 今日の服装は暗めの緑色のワンピース。ちょっとした女社長に見えそうな感じの服。 涼子を自分の後ろにいかせて、守る態勢になった。 サラリーマン三人組は少し驚いた表情で私を見て、口を開く。 「あんた、ここの社長?」 「可愛いバーテンダーさんがいるんだな。俺たちと一緒に酒を飲まないか誘っただけさ」 「金払っているんだから、それくらい…」 お前ら、ここはキャバクラではないぞ。と言いたくなったけど言えない。 拳を自然と作り、怒りを静めようとして男どもに言う。 「申し訳ございません。当店ではそのようなシステムではありませんので。」 キッパリと言ってやった。 男どもの顔色はムッとしており、私を睨みつけている。 気にしない気にしない。 気にしたら負け。 「そんなハーフの子を雇う店が悪いだろう。おさわりしてくださいって誘ってるじゃん」 男どもの一人が吠えた。 ハーフの何が悪い!?お触りって… 「ちょっ!あなた…」 口が先走り、暴言になりかけた瞬間…誰かに腕を引っ張られた。 「お客様、お帰りください」 低くて渋い声。 後ろを振り替えると…
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

313人が本棚に入れています
本棚に追加