313人が本棚に入れています
本棚に追加
本当に綺麗な横顔。
ハーフだからかな?
今まで付き合ってきた子達にもハーフが居たわね。
涼子みたいな碧目は居なかった…
遺伝子的に碧目は出現する確率が低いって聞いた。吸い込まれそうな瞳。
バーボンを飲みほし、氷をクルクルと廻して、私をジッーと見てくる視線を感じる。
「そんなに好きなの?」
「椿姫~ストレートすぎるー。ただ、あの碧目が綺麗だなって思っただけ。」
「ふーん…。さっきから涼子、お客に絡まれてない?」
「えっ!?」
私は涼子の方へと視線を戻した。
私達が座っているカウンター席から少し離れたテーブル席に涼子が居た。
高級そうなスーツ姿の男三人くらいから、何か聞かれている。
しかも、男どもはしつこく聞いている様子。
涼子の爽やか笑顔ではなく、少し困った笑顔になっている。
マスターは!?
他の客を接客していて、それどころではない。椿姫が軽くため息をついて、私を横目で見る。
「騒ぎは最小限にしてほしいわ。どうするの、陽子?」
絶対、私を試す目だよ。
私は静かに席を立ち、椿姫の後ろを通りすぎて歩いた。
着いた先は……
「お客様、うちのスタッフが何かいたしましたでしょうか?」
私は落ち着いた口調でサラリーマン三人組の席の前に立つ。
今日の服装は暗めの緑色のワンピース。ちょっとした女社長に見えそうな感じの服。
涼子を自分の後ろにいかせて、守る態勢になった。
サラリーマン三人組は少し驚いた表情で私を見て、口を開く。
「あんた、ここの社長?」
「可愛いバーテンダーさんがいるんだな。俺たちと一緒に酒を飲まないか誘っただけさ」
「金払っているんだから、それくらい…」
お前ら、ここはキャバクラではないぞ。と言いたくなったけど言えない。
拳を自然と作り、怒りを静めようとして男どもに言う。
「申し訳ございません。当店ではそのようなシステムではありませんので。」
キッパリと言ってやった。
男どもの顔色はムッとしており、私を睨みつけている。
気にしない気にしない。
気にしたら負け。
「そんなハーフの子を雇う店が悪いだろう。おさわりしてくださいって誘ってるじゃん」
男どもの一人が吠えた。
ハーフの何が悪い!?お触りって…
「ちょっ!あなた…」
口が先走り、暴言になりかけた瞬間…誰かに腕を引っ張られた。
「お客様、お帰りください」
低くて渋い声。
後ろを振り替えると…
最初のコメントを投稿しよう!